リースバックの際の賃貸契約において、連帯保証人が必要となるケースがあります。
主に、契約者(居住者)の収入に対して家賃が高めの設定である場合に連帯保証人を求められることが多いですが、これは普通の賃貸契約と同様と言えます。
連帯保証人の責任
連帯保証人は、主たる債務者(契約者)と連帯して債務を履行する義務を負います。
簡単に言えば、契約者の義務(家賃の支払いなど)について、連帯して責任を負うということです。
万が一、契約者が家賃を滞納してしまった場合は、連帯保証人に代わりに支払っていただくことになります。
また、契約におけるその他の義務についても同様に、契約者が契約内容を守らなかった場合や義務を怠った場合は、連帯して責任を負っていただくことになります。
「保証人」と「連帯保証人」の違い
一般的に、保証人と連帯保証人を同じものだと考えられる方も多いようですが、実は大きな違いがあります。
保証人には、『催告の抗弁権』『検索の抗弁権』『分別の利益』のという3つ権利があります。
一方で連帯保証人にはこれらの権利がありません。
催告の抗弁権
催告の抗弁権とは、まず先に主たる債務者に債務の履行を請求するように求める権利です。
連帯保証人はこの権利がないため、主たる債務者に請求する前に自身に請求されても拒むことができません。
ただし、実務的にはあくまでも主たる債務者に請求して債務者が債務を履行しなかった場合に限って、連帯保証人に請求するのが一般的です。
検索の抗弁権
検索の抗弁権とは、主たる債務者が債務を履行しなかった場合に、主たる債務者に返済能力があるのであればそちらから回収を図るように求める権利です。
連帯保証人にはこの権利がないため、主たる債務者に返済能力があるかどうかに関わらず、債権者から請求された場合には債務を履行しなければなりません。
分別の利益
分別の利益とは、複数の保証人がいたときにその人数で按分した金額だけを保証すればよいという権利です。
つまり300万円の債務に対して3人の保証人がいた場合には、1人100万円を保証すればよいわけです。
連帯保証人にはこの権利がありませんので、仮に複数の保証人がいたとしても、全額が支払われるまで全員が責任を持ち続けなければなりません。