リースバックを行う場合、将来的に売主(=借主)がその物件を買い戻すための買戻特約を締結することが一般的です。
この買戻特約において、買戻しのための権利は、再売買の「予約完結権」と表記される場合と「優先交渉権」と表記される場合があります。
予約完結権と優先交渉権
再売買における「予約完結権」とは、相手方の承諾を得る必要なくその権利を行使することができる権利です。
つまり、再売買の予約完結権が定められていれば、予め定めた条件で確実にその権利を行使することができます。
一方、「優先交渉権」は、定められた期間において、その相手方は優先交渉権を持つ人以外とは交渉ができないというものです。
従って、優先交渉権を持っていれば、その期間内においては勝手に第三者に売られてしまったりすることはありません。
しかし、あくまでも「優先的に交渉する権利」ですので、交渉がまとまらなければ買い戻すことができません。
そのため、優先交渉権の場合は、予め具体的で明確な買い戻し条件(買い戻し金額等)を定めておくことが大切です。
買い戻しは権利であり義務ではない
もちろん、いずれの場合であっても買い戻しは権利であり義務ではありません。
契約期間が終われば買い戻さずに賃貸契約を更新したり、更新せずに引っ越してしまうことも自由です。
従って、リースバックをする際に、少しでも買い戻す可能性があるのであれば、買い戻し特約はつけておいて、契約期間が満了するまでに権利を行使するかどうか判断するのが妥当な方法でしょう。